呼吸

1)腹式呼吸を意識する

次は呼吸法です。でも身構えないで下さい。「とにかく簡単、誰でも続いて効果ある」ものだけにしました。


呼吸法を覚えるのは「心」と「呼吸」の関連性に気づき、そこから「気」とか「エネルギー」の繋がりを実感できるようにするためです。呼吸と「心」は密接に繋がりがあります。これは皆さんも「経験的に知っている」はずです。気づくか気づかないかの違いだけです。

人は緊張すれば呼吸が浅くなります。更に「悩み」や「不安」「焦り」「恐れ」「いらだち」など、精神的なストレッサー(ストレス)がかかれば、防衛反応として自然に呼吸は浅くなってしまいます。脳はその他の身体の臓器と比べてかなりの量(10倍ほど)の酸素を必要とします。呼吸が浅くなるという事は、脳に必要なだけの酸素が行き届かなくなるので「頭がボーっとしたり」「眠気」「めまい」などの症状が起きてきます。他にも「不安」「焦り」「恐れ」「いらだち」などの緊張は交感神経を優勢にし、自律神経の働きも乱してしまいます。それがまた更なる「不安」や「焦り」「恐れ」などを生み出すという悪循環を引き起こしてしまいます。(うつ病やパニックで苦しむ方も、こういった悪循環に悩んでみえます)

こういった「感情エネルギー」は、制御しようとしても「思考エネルギー」より強いので中々制御できないし、押さえつければ押さえつけるほどその反動も出てしまいます。

しかし今言ったように「呼吸と心、感情」が密接に繋がりがあるならば、全てとは言わなくても、呼吸からアプローチして何とかなるものも出てきます。呼吸は無意識に自然と出来ているものです。

しかし意識的に操作できるものでもあります。故に「これを利用しない手はありません」。一番手軽に無意識から意識へ、意識から無意識へのルートにアプローチをかけることが可能なものではないかと思います。

更に「気」が解らなくとも「呼吸」が解らない人はいません。「気」と「呼吸」は密接なつながりがある事を「知っている人は知っています」。ただ「知識として知ってる」ではなく、「身体で知っている」「経験的に知っている」という意味での「知っている」です。

ヨーガでは「プラーナーヤーマ」というものがあります。この宇宙全てにはプラーナというエネルギーが充満していて、これを呼吸とともに自分の中に取り入れようという考え方です。その他にも今日では色々な呼吸法があり、どれも魅力的です。最近では「4-7-8呼吸法と言う呼吸法が快眠できる」など話題にもなりましたよね。もし本当にあなたが一生「この呼吸法は無理がないので続けれる」と思えるものがあれば、どんどん取り入れて試していけばいいと思います。

ここでは誰でも簡単にできる事と最小限度の労力で「目標に必要なエネルギーを得る」ことを目的として呼吸法を実践していきます。もちろん「心を安定させ、無理なくポジティブな方向へ導いてくれる」という副産物も生まれてしまいますが(笑)

では、まずは意識して「呼吸を感じましょう」。初めに「腹式呼吸を意識」しましょう。
腹式呼吸を「覚えましょう」ではありません。

何故「腹式呼吸を意識しましょう」なのかと言えば、寝ている時は誰でも腹式呼吸をしているからです。寝ている姿勢は胸をとりまく骨格の動きが制限されます。制限を受けた分、横隔膜の動きがよくなる為に、誰でも自と腹式呼吸になります。また、赤ちゃんのうちは肺の機能は発達途中ですから、当然、肺で呼吸を行なうことが出来ませんので横隔膜を上下に動かす腹式呼吸を行なっています。
ですから腹式呼吸は難しいものではなく、誰でも「無意識」に行っている事なのです。故にこれをまず意識化します(無意識→意識)。知らない事を覚えるのは大変ですが、既に無意識に行っていることを意識するんですから簡単だと思いましょう。

まず仰向けに寝て両膝を立てます。
そしてお腹の上に手を置きます。自然に息を吸えばお腹が膨れ、息を吐けばお腹がへこむのを感じて下さい。

1)ただし必ず「吐く」から行います。
2)次に大切なのは吐き切ることです。
3)そして、「呼吸は息を吐き切れば、吸おうと意識しなくとも自然に思いっきり入ってくるもんだな」を感じとります。(ここ一番重要)

10回以上は毎日意識化します。

今回もただこれだけです。無理なく出来た人はここまでです。

おさらい
1 合理的で、かつ論理的な生理学的な知識を学んだ。これらを習慣化する。
2 「何の為に」を書き出した。
3 その欲望の根源を知り、そのフィールドを決めてアクセスする。(アクセスの為にはイメージと真言などを唱えてつながる。)

4 腹式呼吸を意識化する。

「仰向けが苦しい人」

仰向けが苦しい人なら、「ここまで」が楽に出来るのを、取り敢えずの目標にしましょう。

同時に呼吸器や循環器などで診てもらうことも大切なことです。原因が解ればもちろんその治療が目標ですよね。

ただ医療はその部分を専門的な視点で見る為、どうしても「原因不明」が多くなります。すると医師は異常がないから「正常」と判断する為(当たり前なんですが)、どうしても「ストレスが原因ですね」とか「自律神経が原因で身体に不調が現れる」という判断を下さなければならないと思います。

そのため、それ以上の治療は「心療内科」に任せる事も多いと思います。ここで良い病院やカウンセラーに当たり、改善されればそれも良かったと言う人もいるでしょう。ただ、こういったところは心の専門家なので、骨格の歪みや姿勢の悪さ、深層部の筋肉の緊張まで考慮には入れてないはずです。とても優秀な方で解っていたとしても、手立てがないためどうしようもないとも思います。しかし、ただの姿勢の悪さ(猫背やストレートネックなど)でも息苦しさを感じる人もいます。この姿勢の悪さや筋肉の緊張(特に深層部の緊張)が長く続き習慣化していて、大きなストレッサ―(ストレス)がかかった時など、心が大きく落ち込んでしまいます。

例えば、うつ病やパニック障害と診断された方は日常的に動悸や息苦しさを感じることも多いと思います。

私の経験ではこの方達の特徴で多いのは、肩こり、首こり、筋肉の緊張(特に深層部の筋肉の緊張)、姿勢の悪さなどです。誰でもストレスが強いと筋肉が緊張を起こします。緊張するのは悪い事ではないんです。身体の防衛反応ですから。でも「緊張してはいけない」なんて思えば思うほど、人は緊張します。問題は「緊張が解けない状態が長く続いてしまった」ということなんです。

緊張すれば自律神経の交感神経の働きから、当然筋肉は収縮します(収縮とは骨格も動く事を仮定して)。横隔膜も筋肉なので、緊張が長引けば上がったままになり、呼吸が浅くなってしまいます。こういった方達は仰向けになり腹式呼吸をすると息苦しさを感じてしまう事もあるようです。そのような方達は、まずは筋肉の緊張を取ることと姿勢の悪さを改善する事のほうを優先させます。

また脂肪分解酵素であるリパーゼも、酸素が不足になれば働きが悪くなるので脂肪を蓄積しやすい身体になってしまいます。また横隔膜は様々な内臓の動きを補ってくれているので、横隔膜の緊張でもやはり代謝が落ち、太りやすくなります。

要するに、ただ「猫背が改善される」だけでも色々と「美しい身体を作る」恩恵があるのです。

ということで、まずは「猫背が原因で仰向けが苦しい」ならば、これを治す習慣もつけましょう。
しかし、その前に息苦しさを感じた方は、お腹に手を当てなくてよいので、このポーズでも試してみて下さい。

腹式呼吸.png

この二つのポーズでも息苦しさを感じるようなら、とりあえずこのエクササイズ迄で終了しましょう。

ここまででも出来れば充分です、お疲れ様です。

出来なかった人

おさらい
1 合理的で、かつ論理的な生理学的な知識を学んだ。これらを習慣化する。
2 「何の為に」を書き出した。
3 その欲望の根源を知り、そのフィールドを決めてアクセスする。(アクセスの為にはイメージと真言などを唱えてつながる。)

4 座った姿勢や楽な姿勢でよいので次回示す呼吸法を習慣化しましょう。