アンカーとトリガー、またはアンカリングという言葉をお聞きになられた方も多いと思います。

全く知らない、聞いたことがないという方も当然多くみえると思いますので、ここではなるべく簡単に説明させていただきます。

心理学にあまり関心のない方はこの部分はとばしてください。
(ここではプライミング効果と同じような効果としてのアンカリング効果の説明からは入りません。
例えば埋め込まれたアンカーが先入観のようなものとなり、一定の記憶情報しか意識に上らないようになるバイアスとしてのアンカリング効果の説明からは入りませんということです。
概念になじみがないと混乱する可能性がありますから、ここでは単純明快にアンカー、トリガーの説明をしていきます。)

ずばり言ってしまえば、アンカーはある記憶(入りやすい、浮かびやすい、状態)で、トリガーはそれを思い出す切っ掛けと捉えると理解しやすいでしょう。

しかし簡単に記憶といっても色々な記憶があります。学習に使われる記憶や、感情や体が覚えている記憶なんかもあります。

小さな頃に犬に噛まれて大けがをしたとすれば、「犬」という言葉を聞いただけで身震い(体感)したり、すごく怖くなったり(感情)、噛まれた時の血の流れる光景を思い出したり(視覚・イメージ)。この場合は「犬」という言葉がトリガーとなり、「身震い」「恐れ」「イメージ」などがアンカーとなります。

もう少し例をあげれば、昔、恋をしていた時によく聞いた曲をあらためて聴いてみると、その時のトキメキのような気持ちが浮かび上がったことはありませんか?この場合、この曲がトリガー、ときめいた気持ちがアンカーです。
また、自然に恵まれた田舎育ちの方が現在都会で暮らしていた。いくら都会に慣れ親しんでも子供の頃に遊んだ川、海、山などを訪れればこれらがトリガーとなり、子供の頃の気持ちや感情、その頃よく味わった感覚が
蘇ってくるでしょう。このように、ある切っ掛けが、ある記憶を呼び起こすことは日常よくある話です。

これらはごく普通にある日常の出来事です。しかしこの現象を良く理解し様々な方法が考えられています。
ベルを鳴らした(トリガー)ら、犬の唾液の分泌が多くなる(アンカー)「パブロフの犬」。
催眠療法や、物やサービスの購入をさせる販促、洗脳などもこの方法をよく用います。
色々なセミナーや講座などで解りやすく説明を受けるのもよいのですが、基本この大学の心理学で習うような古典的条件付けがもとになっているものが多いようです。

要するに、この実験であるようなことがアンカーやトリガーの使用する条件を多く含んでいます。

よって有効に活用するには様々な条件があります。まずは強い感情を喚起させること。次は反復を繰り返すこと。次に特定の物や言葉、行動など(トリガー)は特定なものとして他の物とは区別する事。
また、引き起こしたい記憶、気持ち、体感など(アンカー)も特定なものとして他のものとは区別する事、などです。結びつける時間の間隔(そのトリガーがそのアンカーであると解るために)も大切です。
一度形成されれば何年も有効ですが、回路が形成されるまでは繰り返し実行しないといけません。

ここは療法家やセラピストのブログではなく、おまじないやお守りがよく効くようになるブログなんで、簡単にそこに着目して話をすすめていきますね。