ヤンキー風な兄ちゃんA
「捕まえるしかないな」
俺
「捕まえてどうするの?殺しちゃうの?拉致るの?」
「あれだけ人通りあったら無理でしょ。今までもかなり見てた人いるよ」
「それに、見てた人だけじゃなくて、これから捕まえに行っても見てる人いるよ。その人達には君たちは悪人以外の何者でもないからね。それに彼、たぶんまた大声で叫ぶよ」
ヤンキー風な兄ちゃんA
「じゃあ、どうするんですか?」
俺
「一応、まず俺、連れがいるからそいつに連絡して」
連れに連絡をとり、簡単に事情を話す。叱られた(笑)
俺
「しゃあないから彼をおっかけて説得してみるけど、多分酔ってるしね、説得、無理だからね(笑)」
「彼が本当に〇〇署に入ったのを確認してから警察行って、警察の人に事情説明してやるよ。それから君らも出頭する」
ヤンキー風な兄ちゃんA
「捕まりますよね?俺ら」
俺
「逃げたら多分逮捕されるけど」
「今なら、一応事情を知ってる第三者の俺がいるしね。」
「彼もかなり酔ってたんでしょ?」
「まぁ警察の人がどう判断するかだけどね」
「多分、いま俺と一緒に行けばなんとかなるかもね。最悪にはならないよ」
ヤンキー風な兄ちゃんB
「行きます。ありがとうございます」
ヤンキー風な兄ちゃんA
「すみません。お願いします」
俺
意外と素直な若者達なんだと感心してしまった。ちゃんと頭下げれるし。
私は真面目そうな被害者の彼に追いつき(彼、小太りの割に意外と素早い(笑))
俺
真面目そうな被害者の彼の後ろから
「ちょっと、ちょっと、お兄ちゃん、どこ行くの?」
被害者の彼
聞こえてるか聞こえてないか解らないが、ぶつぶつと「殺される、殺される」と独り言をつぶやいてる。
駆けるように早歩きの彼をやっと止め
「俺、さっき殴られてる君を止めた者だけど、解る?」
被害者の彼
「警察に行く、殴られた、殺されそうになった」
「警察、警察」
俺
まぁ確かに動揺はするよなと思い、同時に、この人もきっとかなり嫌な事があったのかな?と思い、少し同情した。
「でもさ、車蹴ったの君が先みたいじゃない」
「警察行く前に話し合ったら?俺、ついててやるからさ」
被害者の彼
「俺は蹴ってなーい!」突然大声で叫びだす。
「お前もあいつらの仲間だな?!」
俺
「おいおい勘弁してよ」
被害者の彼
「誰か―!助けてください。こいつに殺されまーす!」
周りの人も、駆け寄ってはこないが、一斉にこちらを振り向く。
俺
心の中で「やはりこの展開か(笑)」
彼に向かって「解った、解った、だったら警察いきな」と言い、後から黙ってついていき、警察署に入る彼を見届けた後、後ろからゆっくりついてきた二人組のところに戻る
俺
「じゃ、行きましょうか」
ヤンキー風な兄ちゃんA
「助けてくれた人に何て事を・・・」
俺
「いや、君が殴ってたんだから」
(心の中では、意外と「義理堅いな」と思った。)
私はここに至るまでの経緯をありのまま警察の方に話ました。
私から事情を聞いているお隣では、彼らから別の刑事さんが事情を聞いてました。
別々の部屋じゃないから隣が見えました。警察署にも関わらず、机に乗って怒鳴ってた彼らでした。
「やっぱ凶暴だわ」
「わざわざ来た俺の立場がないから、やめてくれよ」
「本当の悪と思われるだろ」
と、心の中で思いながら、私から事情を聞いてた刑事さんと話してました。
「いやー、さっきは素直ないい子達だったんだけどなぁ・・」
などと言いつつ笑う俺でした。
つづく・・・