空海が室戸岬の洞窟に籠り、虚空蔵菩薩に祈願し、何度も何度も真言を唱え続けると、ある日の明け方に空から明星(金星)が空海めがけて向かってきて、なんと空海の口の中に飛び込んだ。そして空海は虚空蔵求聞持法を修した事を悟った。という説はよく知られてます。
日蓮もまた12歳の時、仏道を志すにあたって虚空蔵菩薩に21日間の祈願を行ったという話もまた有名です。
この多くの者たちを天才にしたと言う虚空蔵菩薩の真言である
「ノウボウ アキャシャキャラバヤ オンアリキャマリボリソワカ」
これを100万回唱えれば、見聞きしたものは忘れず、無限の知恵を手に入れる事ができると言われています。

本来、虚空蔵求聞持法と称するからには、ただ唱えるのではなく、虚空蔵菩薩をしっかりイメージする事や食事のコントロール、日時設定、100万回唱えた後に牛蘇を食すなど、細かいことがあるようですが、密教の方々でなければこだわらなくてよいと私は思います。更に100万回唱えるということをしなくとも、効果が出てくるものだと思っています。
簡単に「100万回唱える」と言っても、普通の生活ではかなり難しいものです。
唱えられた方はかなりの記憶力を手に入れたと聞いて、かなり若い時にこの虚空蔵蔵求聞持法を修められた大阿闍梨にお会いしに行ったことがあります。確かにすごい記憶力の持ち主だった事を覚えております。

私のような未熟者でも「ノウボウ アキャシャキャラバヤ オンアリキャ マリボリソワカ」を唱え続けて言える事は、完全な記憶力を手に入れたとは言えませんが、やはり何となく物事の本質を直感的に理解できたり、必要な記憶はかなり思い出せれるんだな、と今でも感じています。