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こんな時は「気」を下げないといけません。「気」を下げるとはこの場合、頭から「胸や腹に意識を落とす」ということですね。風や水の方にエネルギーを移します。要するに、風や水の力を利用すると良いという発想が出てきます。それには風の原初の習性、「調停する息」を利用します。私達人間では「深呼吸」ですね。更に水(腹)の習性を合わせれば「腹式呼吸」をすれば良いという事になります。しかし自分がこの状態なら「深呼吸」をすればよいのですが、あなたと対面する相手がこの状態なら「深呼吸してください」では、相手をより怒らせてしまいますよね?その場合は相手に風の精霊の力を用います。「風の精霊さん、助けて!」で助けてくれたらいいんですが(笑)、「人間と精霊には深い溝があると同時に、助け協力し合う関係にしなければいけない」というような意味を、ルドルフ・シュタイナー氏の本で読んだ記憶があります。人には人の理があり、動物には動物の理があり、植物には植物の理があり、鉱物には鉱物の理があります。人は何かと人の土俵の上に様々なものを載せ、人の理で操作しようとしてしまいますが、これでは精霊など動くはずがありません。精霊には精霊の理があるなら、その力を借りるには相手の土俵に合わせなくてはいけない。関係が成立する成立しない以前の問題ですよね(笑)。

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要するにこの場合、相手の呼吸(風)に合わせます。相手の「早く、短く、浅く、数が多い呼吸」から、「遅く、長く、深く、数の少ない呼吸」へ導けば良いのです。とは言え、なかなか呼吸合わせ自体、練習が必要なんで、難しいですね。その場合の代りに会話速度を用います。早口の方には早口で合わせながら、徐々にゆっくりに導く(バレたら終わり(笑))。あくまで気がつかれないように。勿論、怒っている状態が大きいならば、その「怒り」が消えるとは言えません。相手や状況が変化したのではないし、怒りの度合いが大きいなら、「カッカする」とか「キレる」(頭)から「ムカつく」(胸)、「腹がたつ」(腹)の変化に過ぎないかもしれません。怒りはまだ在るかもしれません。それでも、他者に危害を加えたり(火のように他を巻き込みながら更に燃え盛る)、攻撃する状態から、「耐えるイメージの怒り」には変化が出来るので、最悪の結果は回避できるものです。(勿論上手く使いこなせればのお話です(笑))

催眠系のセラピスト、武道家、魔術や呪術について精通している方、過去かなり荒稼ぎした泥棒などもこの「呼吸合わせ」を用いていました。ただ「呼吸合わせの技法」というだけでなく、この奥にあるカバラや(魔術)などの哲学や思想が在るのと無いのでは大きく内容が違ってきます。また自ずと応用できるものが増えてきます。この技だけでも色々な応用ができます。(笑)