ありきたりではありますが、私なりに単純明快に解りやすく4段階も書いておきますね。

1.生物学的なアニマ
SEXの欲求を満たしてくれる性的魅力を持つ娼婦をイメージさせるアニマです。
内面や気持ちを重視する段階ではなく、性的快楽を刺激したり与えてくれます。
同時に男性の根源的な欲求や生命力も与えてくれます。

2.ロマンティックなアニマ
恋愛の喜びを与えてくれる理想の異性の魅力を持つ、恋人をイメージさせるアニマです。
ただ単にSEXの欲求を満たしてくれる性的対象としての存在だけではなく、女性の魅力、男性に対する献身的な女性のイメージなどが加わり、ロマンティックな雰囲気を醸し出すアニマとして現れます。

3.霊的なアニマ(精神的)
敬意、優しさ、喜びを与えてくれるピュアな美しさ、清らかな乙女をイメージさせるアニマです。
恋人をセックスの対象として見るのではなく、ピュアな美しさや精神的な結びつきから感じる敬意、優しさ、喜びを与えてくれるアニマです。

4.叡智のアニマ
真理を探究する意欲や知性を与えてくれるギリシア神話の女神をイメージさせるアニマです。
深遠な道理や法則を知りうるすぐれた知恵は男性性の論理的思考や感覚だけではなく、女性性の直感や感情との統合により成りうることを教えてくれるアニマです。
また、このアニマに至ると性的欲求を除外していますので、禁欲から学ぶ自制心などを培ってくれるはずです。

私は学者でも研究者でもないので、ユング心理学を学んだ時など他の方と多少の違いがあっても、実際に使えるような考え方の方が大切と思うので、自分なりの使える考え方をしていきます。その辺は理解しといてくださいね(笑)。

話をアニマにもどします。

男性の場合、このアニマを成長させ、自分に取り込んでいくのが理想と言えますが、ユングいわく「その道のりは厳しく険しい」ということです。
男性はこの無意識にあるアニマを現実にいる女性に投影させながら、その異性を求めていきます。
男性もこのアニマを統合できれば、女性のほうが本来すぐれているであろう、看護師、セラピーやカウンセリングの仕事、福祉系の仕事、占いやスピリチュアルな仕事、霊能者、サービス業全般など、人と上手く関わり、調和を保つ力が必要なものに力を発揮することが出来てくるはずです。

女性も、この母性から始まったアニマが4段階の成長過程を通して、男性のアニマがどこで固着しているかが理解できれば、男性が求める様々な女性像が見えてきませんか?
もちろん世の男性が求める女性がこの4段階に全て当てはまり、タイプ別にできるとは思えませんが、男性により求めている女性像はそれぞれに違いがあるものの、共通することもあることが解ってきます。

男性がこのアニマのどこかに固着があったら、女性に求めていることは違ってきますよね?
「この人はこんな人だ」と決めつけるよりも、「この人は今、この段階での女性を求めているんだ」と理解したほうが建設的ではないかと思います。(今と書いたのは人間である以上、肉体的つながりが欲しい時もあれば、精神的なつながりが欲しい時もあるということです)

ただ、どこかで段階がとまり、そこに特に強い固着をしていれば少し話は違ってきます。
男性はその固着しているアニマを外界に投影して、実際にいる女性にこれを求めます。
アニマを投影できた女性に出会えば、男性は初めのうちはアニマを投影しているのでとても幸せに感じるはずです。

女性も投影されているので自分の魅力も認められ、自信も持て、良い関係が築かれるでしょう。
しかし、男性がその女性を知れば知るほど、アニマのもつイメージと現実にいる女性との違いに気づいていきます。気づかれないように女性のペルソナをその女性の方が演じれれば、もちろん関係は長続きするのでしょう。
昔の女性はこのような事を強いられてきたのではないかとも思います。現代欧米の文化も取り入れながら成長してきた日本においては男性も女性も同等であり、平等である考えは今では当たり前でしょう。そうは言っても、今の時代でも「好きな男性の好みに合わせたい人」と「自分の好みに彼を変えたい人」の割合は、色々なアンケートを調べてみると「好きな男性の好みに合わせたい人」の方が多いのには正直言って驚きです。
男性に合わせることで自分では決して行かない場所、やらない趣味、会わない人、色々な自分ではできない体験をすることで、驚きや発見、思わぬ楽しみが見つかったりもして、良いことですよね。そんな女性を愛おしく思うのもまた、男性の習性でしょう。

しかし、あまりそれが行き過ぎて、この女性がペルソナの女性に耐えられなくなったり、男性がアニマの投影が出来なくなれば、投影できる女性を探し求めるようになるはずです。恋人同士なら別れとなり、夫婦では離婚か浮気になる。誰が悪いという事よりも、理由がこんな事にあるかもしれません。

近年離婚率が増加していますが、その離婚率を上げている理由に「熟年離婚」が関わっている事実をご存知でしょうか?厚生省の発表では、ここ40年ほどで50代以上の夫婦の離婚率は10倍にも増加していると言われています。
こういった事実を皆さんどのように受け取るでしょう?(全然おまじないの話じゃなくなってるし(笑))

確かに外の要因として女性の雇用者の増加、年金分割制度の整備、親の介護の問題などもあるはずです。
しかし、外の要因は内の要因(気持ちや信念)がブレなければ乗り越えられることも多いはずです。
ですからやはりアニマやアニムス、これらとの折り合いが上手くなされていない、それと同時に男性が常に役割である「母」や「妻」のペルソナだけを配偶者に求めることしかしなくなる。そこから生まれるストレスから、価値観の違い、性格の違いを理由にしてしまうのかな?などと思ってしまいます。

無意識の深くに存在するアニマやアニムス。意識では到底扱いきれるものではないかもしれません。しかしペルソナやシャドウ、ペルソナやアニマ、ペルソナやアニムス、これらを少しでも理解し、気づき、意識化していけば、どこかで折り合いがつくのではないかとも思います。予定なので解りませんが(笑)次回はアニムスについて書きたいと思います。