日常のちょっとした事件https://seimei13.com/tougou6/ についての後書きです。

このような事件やトラブルなど、皆さんも多かれ少なかれ体験したことがあるでしょう。
これも体験している当事者以外は皆、第三者であり、目撃者でもあります。
そして、この目撃者の証言などは、警察の方々の捜査や裁判にも大きな影響を与える事でしょう。

しかし、この目撃者の証言が全て正しいとは言えない事が多くあります。

例えば心理学者オルポートが行った実験に「大きな背格好の黒人男性と普通の白人男性の二人が口論している絵を3秒程見せた後に、『どちらの男がナイフを持っていましたか?』と質問する」というものがありました。結果は半数以上の被験者が「黒人の男性がナイフを持っていた」と答えました。しかし、白人男性も黒人男性もナイフなど持っていなかったのです。
これは被験者が偏見を持っていて、「目撃した事実」もまた先入観によって歪められる事を表しています。

先に述べた「ヤンキー風なお兄ちゃん達」と「真面目風なサラリーマン」。この姿形だけで、もう先入観が生まれてしまいませんか?
更には「黒いベンツ」と「自転車」、これもまた先入観を生みださないでしょうか?

実際、こうした先入観や偏見が記憶を改ざんしてしまう事も多くあるのでは、と思います。

また、先程の事件を誰かが目撃したとしましょう。
その後、警察の方が聞き込み調査をして、目撃者は目撃した事実を警察に伝えます。
通常、事件を目撃してから証言を行うまで、時間がかかる場合が多くあります。その間、目撃者はテレビドラマや映画やDVDなどを見たり、友人や家族との団欒を楽しんだり、ショッピングに行ったりと、先程の暴行事件以外の情報が多く入ってきてしまいます。このような、事件とは関係のない情報もまた目撃証言の内容に影響を及ぼしてしまうこともあると言われています。

このように、記憶はそのまま事実を保管しているものではなく、色々なものに影響され、歪められてしまう事も多くあります。