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先輩B「君は何か武道でもやってるの?」
俺に聞いてきた。

A矢「エスちゃんっていいます」
いちいち族に紹介するな、と俺は思う。

俺S「うーん、鍛えるのは好きですが、自分で言うのも何ですが、大した事はない奴だと思います。元々身体つーか心かな?が弱いんです。でっ、健康のために鍛えてるだけです(笑)」(まさか霊に悩まされたからとは言えない。)

先輩たちはちょっと安心したのか、雰囲気が優しくなったように見えた。

先輩C「B君は空手の達人なんだぜ」
先輩B「まあな。俺も熱が無くて体がまともだったら、あんなのには負けることはないが・・・絶対ないが」
俺S「空手はどこの空手ですか?」
先輩B「おー、○○空手の黒帯よー」
先輩C「すごいのなんのって、○○でも石割れる空手の達人だって有名だったんだぜ」
俺S「石割り?」「あの有名な・・・素手で割る・・」
先輩B「おう。君も出来る?石割」
A矢「エスちゃんならできます」
俺S「アホか、お前!できるわけねーだろが」
先輩B「そうか、出来ないよな。あの化け物倒した奴でも出来ないよな。そりゃそうだよ。○○空手でも出来る奴はそんなにいないからね。それは仕方ない。そうか、そうか、出来ないか(笑)」
とても嬉しそうな先輩B

俺は心の中で呟く「倒してないだろうが。途中で止めたって言ってるだろうが」
「そんなことより、こいつ本当に素手で石割れるの?そりゃーねーだろ。あれは○○○○館長の技だろうが」「素手で石割るんだぞ?」「まあ、先生は割ったが」「でも、達人クラスだぞ」と思いつつ、中学の頃の思い出が蘇ってきた。

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俺「おはようございます」と、おっさんに声をかける。
おっさんはその橋の下を自分専用のトレーニング場にしているので、俺はそこを通るのがどうも気がひけた。
でも、そこはおっさんが来る前から走り込みのルートだから仕方ない。気を使いながら、いつも通っていた。
俺がいつものように挨拶すると、ある日おっさんが俺に声をかけてきた。

つづく・・・