走りやの赤夫
「またさ、四人で〇〇ドライブイン攻めに行こうぜ。なっ、青ちゃん!」
俺(青ちゃん)
「俺はツルまん」(群れで行動しないと言う意味)
「って言うか四人?」
走りや赤夫
「族じゃないからツルんで走らないから大丈夫。あっ、ごめん黄美!」
暴走族の黄美
「いいって。気にするな。でも、みんなで食べたあのラーメンは旨かったな?」
俺(青ちゃん)
何か赤夫の四人発言が気になり
「おい、黄美、みんなで食べたって何人で?」
暴走族の黄美
「えっ、ここにいる四人に決まってるじゃん」
「またまた、やだなぁ、ボケた振り?」
「それとも、俺は行ってないとか言うつもり?(笑)」
自称霊能者の緑朗
俺の言いたいことを察したのか、間髪入れずに緑朗が言う。
「おいおい、お前ら頭は大丈夫か?四人じゃないだろ、五人だろうが?」
「ねぇ青ちゃん、ラーメン五人で食べたもんね?」
俺(青ちゃん)
「そうそう。五人の記憶が俺の頭にへばりついてるんだが」
自称霊能者の緑朗
「だよね、ぜって~五人いたって」
暴走族黄美
「なぁ赤夫、お前の峠の仲間たちとはラーメン食べなかったよな?だからこの四人しかいなかったよな?」
走りや赤夫
「それは確実!だって他に誰かいたら、そいつの事は忘れても車はぜって~覚えてるからね、俺は。ぜって~四人だよ」
「俺の他は青ちゃんの18RG、黄美の2TG、緑朗のL型しかいなかったもん。」
俺(青ちゃん)
「エンジンで覚えるな」
「いやいや、でも四人ではなーい。」
「しかし、あと一人が思い出せない。」
自称霊能者緑朗
「ぜって~五人だ!でも、あと一人は誰だったっけ?」
走りや赤夫
「わかった~!」
「それ・・・・・・幽霊だわ」
暴走族黄美
「幽霊か・・・・こわっ!」
「赤夫と俺は霊感ないけど、青ちゃん達はあるからな」
「幽霊、見たんだな、きっと」
自称霊能者緑朗
「そうだよ、そうだよ。あれは確かに霊だ。確かにいたんだ」
俺(青ちゃん)
「それはなーい」「ぜって~ない」
だって「幽霊いたら、嫌でも必ず身体の感覚で覚えてるから」・・・とは誰にも言わなかった。
「それに俺は霊能力者ではない!修行もするし瞑想もするが」
赤夫
「じゃあ四人だな!」
黄美
「そうそう、四人のほうが気味悪くない。じゃあこの話は四人ってことで」
緑朗
「ちがーう、ちがーう!五人だ!五人しか考えられん」
赤夫
「では、やっぱり幽霊だな。怖いなー」
黄美
「そんな感じもしてきた。やはり五人目は幽霊か。」
俺(青ちゃん)
「お前ら信念ないんかい?」「それに幽霊がラーメンすするか?」
緑朗
「腹減ってたんだって」
俺(青ちゃん)
「はぁ?」
緑朗
「五人だ五人!霊としか考えられん!うん、確かに見た。思い出してきたぞー」
赤夫
「おー、本当か?!どんな奴だった?ついに思い出したか?言ってみな」
緑朗
「うーん」
黄美
「雰囲気や特徴だけでもいいから言ってみな」
緑朗
「うーん・・・すごいインパクトがあるヤツだった。」
「そいつからは強烈な気のようなもんを感じた記憶が。」
「親戚縁者、もしくは友達のような近い存在とは思えない感じ」
「とにかく遠い存在で、異質で強烈な気を発する感じだったな」
俺(青ちゃん)
「??・・?・・・」
黄美
「強烈か・・・・・悪霊ってことだな」
赤夫
「なるほど、ラーメン好きな悪霊か」
俺(青ちゃん)
いかん、いかん。このままではラーメン食った五人目が悪霊になっちまうぞ。解かなければ、この謎を!
そして、こいつら在りもしない事実を広める。
「俺らあのラーメン屋で悪霊とラーメン食ったんだって、本当だって」
とか言うぞ。
屋台の親父はいい迷惑?(でもかえって流行ったりして)
・・・など、色々と考える。
ラーメン屋の親父の心配より、謎解きしたい自分を優先することにした(自分勝手だから)(笑)
と、言うことで、その後もこの三人に会うたびに、何度も覚えてることを聞いてみた。
四人で会った時はなるべく他の話題に変えた。「ラーメン好きな悪霊伝説」に改ざんされると思ったからだ。
一対一で会った時だけ聞くようにした。
やはり赤夫と黄美は四人だと意見は変わらず、あまり役に立つ情報は覚えてなかった。
緑朗もやはり意見を変えず五人と言い張る。
何度訪ねても
「印象は親しくないヤツ」
「なじめない奴」
「しかし強烈なものを感じた」
それも変わらなかった。
これでは埒があかん。
そこで俺は瞑想しつつ、自分自身に聞いてみた。
「おい俺よ、五人目の奴はどんな印象だった?」
俺は答えた
「確かに親しくない印象がある」
「しかし強烈なインパクトは全然感じない」
「むしろ、どちらかと言えば影が薄いような・・・」
「緑朗は強烈」「俺は影が薄い」
「しかし、二人とも遠くに感じる存在・・・?仲の良くない奴」
「仲の良くない奴?」
ここで突如閃いた。
「おーっ!解った!」
「なるほど、そういう事か」
「でも記憶って怖いな。こんなこともあるんだな」
と、一人で納得し、ニヤニヤする俺であった。
つづく・・・