一瞬、自分にとって都合が悪いと思えた事でも(雨が降った時)、自分にとって納得のいく解答を見つけ出す事は前回お話ししました。
では、都合の悪いと思えた事に遭遇しても敢えて答えを見つけず、その流れを楽しんでみたらどうなんでしょう?(敢えてポジティブに答えを見つけず、流れを楽しむって事です)
私が昔体験した、ちょっとだけ面白い話をしましょう。
私は東京ディズニーランドに1度しか行った事がありません。
何故かと言えば「良い思い出として残しておきたい」からです。
その1度は二十数年前です。当時はスタンバイパスとかファストパスなんてものも無く、アトラクションを体験する時は列を作り順番を待ちました。1日いて、4つか5つのアトラクションを体験できれば上出来でした。
私の誕生日の日に、付き合ったばかりの大学生の彼女からバスツアーで行くディズニーランドをプレゼントされました。
私はバスツアーも苦手、ディズニーランドも「?」でしたが、付き合って間も無い彼女からのプレゼントだし、お金もアルバイトで一生懸命稼いだものだと知ってましたから、喜んで行く事にしました。
バスに乗り、当時住んでいたところから東京ディズニーランドに行くまでには、夜行で出発して朝の開園前に着き、1日楽しんで帰って来るというコースでした。
ところがそこでとても大きな台風に出くわしました。朝に着く予定が朝になっても着かず、昼になっても着かず、なんと夕方になってもまだ着きません。そのうち乗客から不満が出てきました。「おーい、何時になったら着くんだ?」「本当に着くの?」から、「いいかげんにしろよ!」更には「バカヤロー!金返せ!」とつづき、「もういいからホテルの近くで降ろして!」と、続々と皆さん降りていかれました。「ホント、運が悪いな」とか「ツイてないな」とか言いながら降りていく人もいました。
彼女は「どうしよう?」とたずねてきましたが、「ここまで来て降りなくてもいいんじゃない?」「一応目的地(ディズニーランド)まで、このバス行くつもりありそうだからね」と、笑いながら私は言いました。
そう言ってはみたものの、20時間ほどバスに監禁(笑)されたら「そりゃ怒れるよな」とも思って降りていく人を眺めてました。
結局夜7時に着いたものの、ディズニーランドが開いてるかどうか?これが問題でした。当然、台風はもう去っていましたが、どうもこのバスを含め駐車場には数台の自家用車しかいませんでした。
後から判った事ですが、ディズニーランドも開けるかどうかを迷っていたようですが、お客が少しでも来たので開けるという決断をしてくれたようです。
そして、アトラクションを5つ体験しましたが、どのアトラクションも私達の他は数名しかお客がいないものばかり。ほとんど貸切状態でした。食事するのも誰もいなくてゆったりできるは、アトラクションはもちろん並ぶことはないは、それにパレードまでやってくれました。
私は「これってかなり赤字じゃない?恐るべしディズニーランド」と思いました。
スタッフ曰く「こんな日は後にも先にも二度とありません」とのこと。
たった3時間のうちにこれらを優雅に(笑)体験できました。
降りていかれた人にとって知りようもない世界です。
降りていかずにいた「私にとっては運が良い」出来事になったということ。
これは別に、都合が悪い出来事に対して良い答えを見つけたわけではありませんよね。
この時は無理に答えを見つけようとしていたら、多分バスから降りていたでしょうね。
ただ、流れに任せてみただけ。何もしていません。
でも、ディズニーランドが開いてなくて帰ったなら、後々「笑い話」にできそうだな?とは思いました。
ここで大切な事はディズニーランドで彼女と楽しむことではなく、彼女がバイトで稼いだお金でバスツアーをプレゼントしてくれた事です。ですからそれは「何であれ、受け取らないといけない」。だから流れに任せてみた。要するに「彼女からのプレゼントを素直に受け取った」、それだけの事。それが「私にとっては素敵なプレゼント」になった、それだけのことです。