「オプトイン方式」と「オプトアウト方式」という言葉を聞いたことがありますか?
オプトイン方式とは、活動や団体に対して「参加する」もしくは「加入する」という意味合いを持つ言葉です。
それとは逆に「オプトアウト」は、「不参加」とか「脱退する」という意味ですね。
要するに「希望すれば同意するが、何もしなければ同意しない」という方式が「オプトイン方式」で、逆に「何もしなければ同意とするが、同意しない意思を明らかにすれば拒否を認める」というのがオプトアウト方式ですね。

どこかの大臣が言ってた「手を挙げた人に10万円」っていうのはオプトイン方式ですね。多分、この方、そんな深い考えで言ったとは思いませんが(笑)

例えばアメリカで401kプランに加入することは任意でしたので、加入率はあまり上がらなかったようです。もちろんアメリカ人の多くは「老後のことを考えれば加入した方がいい」と頭では理解していても、それに至る行動となると、起こせない人も数多くいました。

そこで制度を変え、今までのようなオプトイン方式(希望すれば加入する、何もしなければ加入しない)から、オプトアウト方式(何もしなければ加入するが、意思を表明すれば加入しなくても良い)に変わったことで、加入率が飛躍的に向上したと言います。

また、ヨーロッパの国々では臓器提供に関して同意をする人の割合が多い国と少ない国に大きな開きがありました。例えばベルギーに対してオランダの臓器提供者の数は極めて少ない数字を示しました。
その数を増やす為に、国民に「臓器提供プログラムに参加するように」という丁寧な手紙を送ったり、テレビ報道で度々取り上げ臓器提供を呼びかけたり、更には余命わずかな人が臓器提供する感動的な番組を作成したり、様々な努力をしたにも関わらず、臓器提供者は増加しませんでした。

しかしここでも、今までのようなオプトイン方式(希望すれば加入する、何もしなければ加入しない)から、オプトアウト方式(何もしなければ加入するが、意思を表明すれば加入しなくても良い)に変えたことで、臓器提供者が飛躍的に向上したと言います。
こちらも頭では「自分の臓器提供で人が助かるなら、もちろんしたいのだが」と頭では思っていても、その行動をとるとなると実際には起こせない人が多くいた事が解りますよね?

要するに、人はほんの少しの行動を起こすことでさえ、無意識に「面倒だ」と誰しも思ってしまうという事です。もっと的確に言えば、無意識は「面倒だと思う」と言うよりも、「変化を避け、現状を維持しよう」とする心が働きやすいという事になります。

身体にホメオスタシスが働くように、心にもホメオスタシスが働きます。ですから、「変わろう」とか「これをするぞ!」とか「この目標を達成するぞ」と思って頑張ってはみたものの、「やっぱりダメ、止めた」なんて事になっても自分を責めないことです。

身体や心からすれば、変化をすることの方が「危険」と判断するので、「当然なんだな」と気楽に気軽に受け止めることが大切です。そして心や体(無意識)が「なぁんだ、少しくらい変わっても丈夫だね」と思えるまで根気よくやり直すことです。一端は止めたり休んでも、根気よくゆっくりと変化を楽しむことです。
人がストレスなく変化するには「ゆっくり」「何度でも」「少しづつ」がキーワードになると思います(笑)