慣れていない人に「数字の意味」の考察は、なかなか難しいものです。

今回は数字の意味の考察について少しだけお話します。なかなか独学で「数字の意味」や「象徴哲学」を学ぶのは大変ですから、指針の一つになるように、霊的な事を用いずに誰でもできる考察の仕方を一つ書いておきます。しかし、間違いだとしても自分なりの考察が一番大切です。

数字2を用いて、「数字の意味」とその隠された秘密をタロットカードを用いてほんの少しだけ説明してみましょう。

(数字2 女性原理、コミュニケーション能力、直感、感性、縁、繋がり、協力、母性愛、同情、柔軟さ)

タロットカードはカバラとの繋がり、少なくとも「カバラを知る方達」がタロットの「絵に隠してあったり」、その絵に結び付けて意味を解釈したりと、「魔術的なカバラ」や「数秘術」を知る上ではとても色々な事を教えてくれる教材になるものの一つであると思います。

それはさておき、タロットカードの「2」は女教皇のカードですね。中世の伝説で855年から858年まで在位したとされる伝説上の人物(?)、女性のローマ教皇ヨハンナをモチーフにしたと言われています。カトリック教会では女性が司祭になることは認められてない事から、「反ローマ教皇」の象徴とされることもあると言われていますが、この辺はどうなんでしょうね?
私としては「女性の直感的な思考を表したもので、まだ現実的な考えに至らない」とも取れると考えます。

頭にかぶる冠は三日月と満月を表す冠で、古代エジプトの女神「イシス」(イシスは、永遠の処女)と同じ冠があります。また胸には十字があり、足元には三日月(満月に至らない処女性)を踏んでいます(月は真理や女性性などを示す)。更に尼といった聖職に就いていることなどから処女であることを表しています。青い服装もまた聖母マリアをイメージさせ、処女と同時に母のイメージも象徴されていると言えます。
エルサレム神殿にあったとされる黒い柱の闇を表す「ボアズ 」、白い柱は光を表す「ヤヒン」。この2本の柱は光と闇の対立を表し、その中央に門番として女教皇が守る。その奥に「未だ知られざる世界」が広がっていることを暗示していると思います。2つの柱の間にある垂れ幕にはナツメヤシ(男性の象徴)とザクロ(女性の象徴)があり、これらが対になりセフィロトの木を表しています。また女性の膝の上にはユダヤ教の律法書である「トーラの書」が半開きに開かれており、「高度な知識」や「学問」を象徴し、布で半分隠れされていることなどから、「簡単には宇宙の真理を解くことはできない」ことを意味しています。

このタロットカードだけで数字「2」を読み取っても、やはりそこには光と闇の対立や処女性と母性の対立、イメージ的で直感的な「右脳」と現実的で論理的な「左脳」の対立、潜在意識と顕在意識の対立などが読み取れます。

要するに、光があれば闇がある。光が強ければ、闇もより濃いという事になります。求めたものは全てメリットしか見えないが、そこには必ずデメリットがあり、そのマイナスとプラスが常に対立しながらも均衡を保っている。どちらかを取ればどちらかも無くなる。これらをタロットの数字「2」は教えてくれます。今なおこの光と闇を対立として捉え、均衡やバランスとして捉える事はできずに、門番の女教皇の手前にいる状態が「2」とも言えます。しかし、彼女の純粋性や大いなる母性が「2」にはあり、この純粋で無垢なる精神でしか受け取る事が出来ない「直感や知性」も示していると言えます。こんな具合の考察も数字の意味を知る指針として
使えるはずです。