その答えは・・・「経験」です。
現在では、あらゆる分野で経験を積むことで直感が働きやすくなることが解っています。
ですから、若い方の多くが経験が少ない分、直感が働かなくとも当然と言うことですね。
故に年を取って経験を積むほど直感が働きやすくなります。
脳で言えば直感を生む場所は大脳基底核の一部である線条体ですね。
ここは同時に「やる気を出す」場所でもあります。「直感が働く」「やる気を出す」といった事以外でも、色々な技能を取得する際に使われる「手続き記憶」を可能にする場所でもあります。
日常の線条体の働きでは、直感を使うよりむしろ自転車の乗り方や楽器の演奏、絵の描き方やグラスや茶碗の持ち方など、「手続きがいる動作」の記憶などに多く使われています。
こうしたことは実際にやってみないと解らない事ばかりですよね?
そして経験を積むことでしか可能にならないことばかりです。
直感も同じで、膨大な情報をその時々に合わせて無意識に計算して正解を導き出しています。
「コップを握ってそれを口に運んで飲む」といった誰もができる普段の動作でさえ、実は膨大な計算を無意識で行わなければ、コップの水を飲むことはできません。
直感もこれと同じです。故に直感をより働かせるには、全てに働く直感を期待するより、ある一つの事に的を絞り、その経験を多く積めばよい事が理解できてきます。
また脳は失敗から多くを学びます。失敗をすればするほど、より合理的に、よりエネルギー消費がいらないように、正解を導き出そうとします。故に失敗はとても大切な事で、直感をより働かせるにはとても大切な「学習」だという事になります。
こうした脳の生理学的な特性を活かし、直感を合理的に鍛えるならば(笑)答えはおのずと解ってきますよね?
「一つの事に的を絞り、何度でも何度でも失敗を恐れずチャレンジして、直感が働くまでやる」
合理的ではないように思えることですね?しかし、これが基本の鍛え方だと思います(笑)
後は「モチベーションが下がらないように維持させる方法を考えないといけないな?」と思えてきますよね。
これを可能にする方法は色々あります。本当は人それぞれ何で自分で考えないといけない事ですよね?
しかし、ヒントだけは書いときますね。(笑)
例えば「何らかの行動の結果に報酬がある」という状況では、やる気をおこさせる場所でもある線条体が活発に動くことが分かっています。しかし、以前書いたので覚えてみえる方も多いと思いますが、報酬を与えられなければ逆に「やる気が出ない」事にもなります。
だからと言って「やる気が起きない→行動できない→やる気が出ない→行動しない→やる気が起きない→行動できない」など、悪循環のループのままでは何もできなくなってしまいます。
故に更にヒントです。
1 よく言われるように「過程に目を向ける事」とか「精神的な満足感を報酬にする」とかできる人はそれがベストですよね。私自身が思う事ですが、でも、それが出来ないなら報酬は与えても良いと思います。しかし、その報酬を物質的なものから徐々に「精神的な報酬へと変化させていく事、またその気づきが必要ではないのか」なんて思います。
(※これが脳幹から視床下部、そして前頭葉までつながっているA10神経の活性化だと思います。)← 報酬を掴むために出てくるドーパミンが出るルートですよね)
2 次に、とにかく小さな小さな成功体験を積み重ねる事だと思います。「行動する→出来た→行動しよう→出来るかも→行動する→出来た」このループを形成できると思います。
3 脳のリセットボタンを押す。他の脳を使うことで、このループに使われる脳を休ませれば、また活力が湧いて来て「経験を積む」事ができると思います。
人それぞれのリセットの仕方があるので、一番合った方法を見つける事だと思います。
これもヒントは、五感でどの感覚を用いれば自分の「ワクワク」「楽しい」「気持ちいい」などの情動を引き出せるか?だと思います。好きな音楽や音色、鳥のさえずりや虫の声を聴く、波の音や川のせせらぎかも知れません(聴覚)、絵画や美術品、工芸品。好きな景色や好きな色、好きな形や好きな人の顔を見る(視覚)、アロマセラピーやお香、森林や草花木など好きな香りを嗅ぐ(臭覚)、マッサージや温泉、入浴、水泳、自転車やバイクに乗る(触覚)などです。
お互い何事も焦らず、疲れたらリセットして楽しみながら、「あらゆる経験」を積んで「あらゆる直感」を一つずつ磨いていきましょう!(笑)