予期して行動に移せない事を書いたので、その流れで少し予期の事を書こうと思います。少しお付き合いくださいね。

「予期する」のも「予期させる」のも、意外と人はこの予期によって行動が決められていたりします。例えば予期不安というものがあります。
予期不安とは、「もしあんな状態がまた起きたらどうしよう?」「人から変に思われたらどうしよう?」「〇〇できなかったらどうしよう?」と過度に不安を覚え、心身共に疲れ果ててしまう状態を指します。
この状態が長く続けば不安神経症などと呼ばれ、精神的にはイライラしやすい、常に不安が生じる、物事に集中できない、過敏に反応してしまう、落ち着きがないなどの精神的な症状が現われます。身体的な症状には肩こり、首こり、頭痛、動悸、不眠、息苦しさ、めまい、下痢、疲れやすいなど、様々な症状も出てきます。
多くの方は身体症状のほうを自覚しているので、何かの病気ではないかと考え、色々な病院で検査を受けるものの病気の原因になるような疾患は見つけられないこともあります。

人は不安や恐怖があればそれを取り去ろうとしますよね?
「そんな事当たり前でしょ」って言われそうですね。(笑)
しかし、取り去ろうと努力すればするほど深みにはまってしまう経験をしたことはありませんか?

私は「過去の経験や体験によって様々な学びを得て、危険を避け、安全を確保しようと無意識に不安や恐怖を予期したりすること自体」は悪い事だとは思いません。
生き物が生きるための一つの手段だから、それも大切な事ではないかと考えます。
ただし、その予期がただの思い込みや行き過ぎる場合に「やりたいことが出来なくなってしまう事、行きたい場所にも行けない事、他者と関わりがもちたくても持てなくなる事、イライラや怒りが収まらない事」が問題だという事です。
更にそれを取り去ろうとして原因を探しをしてしまい、不安や恐怖(怒り)をより大きくしてしまい、「身動きできなくなってしまう、自暴自棄の行動をしてしまう事」が問題だという事です。

ですから不安や恐怖(怒り)の感情があっても、まずは「誰でも不安や恐怖が生まれること自体は正常なんだ」と知ること、認める事だと思います。
次に「すぐに恐怖や不安(怒り)の感情が出てきても、それを無理にコントロールしよう」とは考えない事も大切な事だと思います。
「何もしなくても、逆に何もしなければ、恐怖や不安(怒りも)を感じてもそのエネルギーは時間と共に自然にピークを越えれば力が弱まっていくものだ」と実感できるかどうかだと思います。
(最短3分、通常で20分~30分、長くても1時間か2時間)
それで「まっ、いいか」って思えるならそれで良しですね。

しかし、原因探しをしていないにも関わらず、また時間が経過しているにも関わらず
「まっ、いいか」と思えないような恐怖や不安(怒り)なら何かあるかも知れませんよね?
しかし「10分でも5分でも1分でももう少し弱まってくるまで待ってみようかな?」そんな自分がもし生まれてきたなら凄い進歩で凄い成長だと思いますよ。

そして「よし、少し弱まった」と思ったら、その時に「あなた自身が考えられる」適切だと思う考え方や適切だと思う行動をすればよいのです。
不安や恐怖(怒り)の感情のピーク時におこした考え(言葉)や行動は多くの場合、更なる恐怖や不安を生みかねません。
ですから弱まってきたときに、冷静になって平常心に近くなった時に生まれた考え方や行動を行えば「あなたの考えや行動は」以前より正しいものだと思います。
そして「上手くいったな」と思えたものを少しずつ少しずつ習慣や癖にする。
ただしその不安や恐怖の原因探しの為に考えや行動を使うのではありません。
自分なりの対処法について考えたり、行動すればよいと思います。
ほんの少しずつ。

つづく・・・