眠りには急速な眼球運動を起こしている時の睡眠である「レム睡眠」と、急速な眼球運動を伴わない睡眠の「ノンレム睡眠」があります。
これらの睡眠は眼球運動を起こしているだけでなく、レム睡眠の時は「身体は休んでいて脳が起きている状態」、ノンレム睡眠の時は逆に「脳が休んでいて身体が起きている状態」ですね。
脳が起きている、即ち夢を見ている時ですね。今までは、脳が休んでいる時は夢を見ていない時と言われていました。
しかし、スタンフォード睡眠研究所のデメント教授によれば、この「ノンレム睡眠中にも夢を見ている」という報告があります。更に最近の脳科学の進歩から、夢を見ているときの脳の領域を調べる事もできて、「眠っている時は常に夢の世界を体験している」ことも分かってきました。
「私はいつもぐっすり眠るから、夢なんて見たことがない」なんて声もよく聞きますが、実はこれは正解ではなく、逆に、よく眠れている人ほど、本来は夢の世界をいくつも体験しているのです。つまり、よく眠れているという事は、レム睡眠、ノンレム睡眠を繰り返す睡眠リズムが正しく働いていて、寝ている間に8~10回ほど夢を見ていることになります。
要するに、別々な夢の世界を10回近くも体験しているということですね。
しかし、このような時ほど夢を思い出しにくいというのが正解ようです。
また最近では、レム睡眠中は「ストーリーや物語になっている夢」「日常の体験に近い夢」、ノンレム睡眠中は「なんだか解らないような夢」「抽象的で現実味が無い、つじつまが合わないような夢」を見ていることも解って来たようです。