あなたは「今のままではいけない」とか「今を変えたい」とか「ああしたい、こうしたい」とか、頭では思っていても実際の行動は「また、違う事をしてしまった」なんてことをはありませんか?・・・・私はあります。

私なんかは「しかし、これは誰でもあるから仕方ないんだ」なんて思う事にしてます。

逆に、行動し過ぎて余裕が無くなったり、後になって「もっと考えてから行動に移すべきだった」なんて後悔したりもしませんか?・・・・私はあります。

私なんかは「しかし、これは誰でも思う事で、ある意味仕方ないんだ」なんて思う事にしてます。

自分に甘いんで(笑)

私達は自分の意志で発言したり行動しているようですが、一日のかなりの部分は無意識が行動を支配しています。言い換えると「意識して考えたり行動したりしていない」ということです。

この「何だか得体の知れない無意識」に突き動かされてとった行動でも、私達は心の安定を保つために後付けでとってしまった行動に理由をつけたりしてしまいます。

昔の行動経済学とは違い、今日の行動経済学では無意識に働く心を把握し「合理的ではない行動を、どうして人はとってしまうのか?」なども明らかにして、様々な場面で活かしています。

例えばこの学問の核となるものに「プロスペクト理論」というものがあります。結構有名なものなので、聞いたことがある方も多いかもしれませんが、ここではもう一度、簡単に説明します。

例えば、あなたが人から100万円を何も条件をつけずにその場ですぐ貰えたとします。
しかし同時にもう一つの選択も提示されます。

「何もせずに100万円貰えるけど、コイン投げの賭けをして当てる事が出来れば200万円が手に入る。しかし外れれば一銭も貰えなくなる」

A 何もしないでも100万円貰える。
B コイン投げして当たれば200万円貰えるが、はずれれば0円何も貰えなくなる。

さてあなたならAの「何もせずに100万円を貰いますか?」 
それともBの「コイン投げの賭けをしますか?」どうでしょう?

多分、ほとんどの人が「何もせず100万円を貰う」と答えるのではないでしょうか?

次にもう一つ

あなたには現在200万円の借金があります。

先程と同じように何もしない場合とコイン投げの賭けをできる二つの選択があります。

A 何もしないでも借金の200万円を100万円に減らしてもらえる。

B コイン投げの賭けをして当てる事が出来れば200万円の借金は0になり全額返済できます。
しかし外れれば200万円の借金はそのままです。

今度はどうでしょうか?AかBかどちらを選びますか?

この場合は「コイン投げの賭けをしてみる」と答える人の方が多いのではないでしょうか?

人は無意識に「100万円を貰える問いかけ」に対しては、半々の確率で倍の200万円を貰えるにも関わらず、確実に100万円を手にする方を選んでしまいます。(もちろん違う人もいます)

しかし、200万円の借金がある状態では「100%確実に100万円を返す」という事を選択せず、「半々の確率なら全額返済の賭けをしてみる」一か八かの勝負に出てしまいます。

要するに、この事で何が解るかと言えば「人は損失の痛みは利益の喜びよりも大きく感じてしまう」ということです。

この無意識に働いてしまう心の選択を知っている方達は、これを様々な場面でも用いています。