最後に「補完性の法則」です。
「自分と他者の持つ要素は異なるものの、補い合える関係にある」というものが補完性の法則です。

人は「自分が持っていないものを持ってる人に魅力を感じてしまう」ことがよくあります。
例えば、誰もが認めるような容姿を持っている美しい女性と、見た目はあまりパッとしない地味な感じの男性など、よくあるカップルですよね。

今回は前に述べた類似性とは逆に、人は自分と異なるものにも惹かれてしまうという法則です。
「じゃあ、どっちでも好きになるじゃん」なんて捉えず(笑)、ほんの少しこれについて深く考えてみると、類似性で好きになる事と補完性で好きになる事の本質も見えてくるかも知れません。

一般にこの補完性で人が好きになる場合、自分の持っていないものを持っているわけなので「憧れ」や「尊敬」のような気持ちから、相手が異性なら恋愛の「好き」になることが多いようです。
補完する意味で考えてみれば、例えば自分はひ弱だと思う女性なら強い男性に「憧れ」を抱くかもしれないし、あまり勉強をしてこなかった男性なら勉強ができて学歴もある女性に「憧れ」を抱くかもしれない。

この法則も、よくよく考えてみれば当たり前で、男女が恋愛すること自体「補完」かなと私なら思います。
(ここで言うのはジェンダーによる男女の差別とは違うので大目にみてください)
肉体的にも強い女性や逞しい女性も増えてはいるものの、基本は男性の方が筋力や筋肉もつきやすく、古来より狩りに適していて、獲物を狩り、運んでくる役割りでした。女性は男性の獲物を待ち、コミュニティーを維持、存続させるために必要な衣食住に関する仕事や、更には他の女性達や高齢な方達と上手くやっていくために集団の調和を保つ事や維持も大切な役割りだったのでしょう。

こうして男性は獲物を捕る為の能力も高められて、女性はコミュニケーション能力も高まっていったのでしょう。このような役割りの違いや足りないものや苦手なものを補い合うというのは、頭で理解するより、人類の歴史が長い分、心の深いところで掴み取ってしまうんじゃないかな?と、多くのカップルを見てきて実感します。

つづく・・・